ユニットバス・システムバス選定ガイド
浴室のサイズの種類、安全面への配慮や手入れのしやすさなどの基本性能、デザインバリエーションの豊富さなどを知って、わが家流のバスルームを実現しよう!
システムバス(ユニットバス)の基礎知識
内装パーツや設備がユニット化され現場で組み立てる
システムバスは、床、浴槽、天井、壁などのパーツをあらかじめ工場で成型してユニット化し、それを現場に運んで組み立ててつくる浴室のこと。職人の手と技術でつくる在来工法の浴室と違い、工場生産品なので品質や仕上がりが均一で安定し、工事期間は約1日で完成する。保温性や防水性も高く、階上に浴室をつくる場合にも適している。
規格サイズの中からわが家に
ふさわしいタイプを決める
システムバスのサイズは床面積のことをさし、戸建て住宅用の製品は主に0.75坪、1坪、1.25坪の3種類がある。1坪タイプが主流だが、1.25坪タイプを取り入れる家庭も増えてきている。2方向にドアを設けられるプランもあり、2部屋または屋外テラスなどとも行き来できる。
サイズは図の通りで、室内の有効寸法は、1坪タイプが160cm×160cm~、1.25坪タイプ200cm×160cm~。つまり1.25坪タイプは1坪タイプと比べ、浴槽の幅は変わらないが、洗い場が40cmほど広くなる。子どもと一緒に並んで座ったり、入浴介助が必要な家族のいる家庭では、1.25坪のほうが入りやすい。1坪タイプでも出窓や高さのあるドーム型天井を採用すれば、広々した感じが得られる。 予算や浴室にさけるスペースはもちろん、わが家ではどんな入浴のしかたをしたいのかを考えて選ぶようにしたい。 システムバスは防水性に優れた構造をもつため、水漏れによって土台や柱を傷める心配がなく、2階以上の階に浴室をつくる場合にも適している。その際は、階層用の商品を利用する。
安全性や手入れのしやすさなどの
基本性能をチェックしておく
浴室は高齢者だけでなく、家族のだれにとっても安全なつくりになっていることが大切。最近のシステムバスはバリアフリー仕様が一般的になっているが、その基本的な内容をチェックしておきたい。
例えば、洗面室との床面の段差は小さく、床面には滑りにくい模様を施し、浴槽や洗い場周辺には手すりを設置。浴槽のまたぎの高さは42cm前後と低めで、いったん座ってから浴槽に出入りできるように縁が広くとられている。半身浴のために、内部に一段高い座れる部分を設けた浴槽も。また洗い場にベンチを設けたプランもあり、入浴がしやすい。温度差を解消するため冷たさを感じにくい床材を採用したり、専用の床暖房を設置できる商品もある。
浴槽を保温材で覆った「保温浴槽」は冬場でもお湯の温度が下がりにくい。家族で入浴時間が違う場合には、追い炊きによる光熱費も抑えられてエコ。さらに、浴室全体を保温材で覆った「保温浴室」は、洗い場も暖かく人気が高い。
掃除の手間を考えると、清掃性もポイントだ。排水口は1カ所で髪の毛などを除きやすい構造をもち、床は特殊な表面形状により水はけがよく乾きやすい。壁はパネル状で、スポンジで拭くだけできれいになる、というのが標準的な仕様になっている。
水はけのよい床
表面のパターンが水の流れを誘導し、床の乾きが早い。足裏にソフトで冷たい感触がなく、ひざをついても痛くない床も増えている。
掃除のしやすい排水口
排水時にうず流を発生させ、そのうずの力で
髪やゴミをまとめて捨てやすくする。
操作と清掃のラクな水栓
シャワー、吐水用のボタンを押すだけで、お湯の出し止めを操作。凹凸が少なく掃除もしやすい設計。
保温性の高い浴室構造
壁、床、天井の浴室全体と浴槽を保温材で覆っているため、入浴後も熱を逃しにくく、次に入る人も快適。保温材の効果で結露も防止。
好みの空間ができるか、
デザイン性も選定のポイント
デザイン性も気になるところ。 色や柄などをどの程度選べ、自分の好みの空間がつくれるのかを確認したい。一般的には、浴室全体は白かグレー、ベージュ系の色調がベースで、壁は無地か石目柄、木調、あるいは無地と柄のコンビネーションなどのバリエーションがある。浴槽は人造大理石やFRPなどの樹脂素材で、ピンクやグレー、グリーンなどのきれいな色が用意されている。天井はフラット型のほかに高さのあるドーム型のバスルームも。窓は出窓や、テラスや庭に面し大きな開口部をとれるものもあり、開放感を重視したい人向けのバスユニット。
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価格設定のシステムを知り、
予算に応じた選択を
以上のような内容を備え、各社とも1坪タイプでは約100万円弱の価格設定になっている。これをベースに、内装パーツや浴槽の素材をグレードアップしたり、浴室暖房乾燥機やジェット噴流バスなどをオプションとして加えるなどの変更も可能。その際の価格差はカタログに明記されており、予算を踏まえてバスユニットを選ぼう。